step4、Fコードと手の大きさについて


①手が小さくてもFコードが弾ける工夫

これまでstep1でFコードの仕組みや理論を、step2でFコードの押さえ方のコツを、step3でFコードを押さえるときの力の使い方をご説明してきました。

 

ここまでの内容は、知識やコツ、筋肉の使い方に関わることだったので後からいくらでも努力で習得することが出来るものばかりです。

 

ただ、もしあなたのギターに対する悩みが『手の大きさ』だったら...

 

これまでギターの練習でたくさん苦労されてきたことが容易に想像できます。私のギター教室にも、手が小さいことが悩みの生徒さんが多くいらっしゃいました。

 

でも、工夫次第で手が小さい人でもFコードを押さえることが出来るようになります!

 

もう一度、この動画をご覧ください。

 

実はこの動画では、手が小さい人が見習うべきある工夫が2つ見られるんです。

 

1つは、カポの使用。

 

そしてもう1つは、ギターのサイズです。

②手が小さいとFコードが押さえ難い理由

確かに、手が小さいとFコードは押さえ難いでしょう。対応策をご説明する前に、まずなぜ手が小さいとFコードが押さえ難いのかその理由を考えてみましょう。

 

下の画像をご覧ください。

step2でも登場した画像ですが、この画像の指の状態を見ると人差し指と中指の間がだいぶ開いています(赤矢印部分)。その理由は、中指・薬指・小指の3本の指をなるべくフレットの近くに置きたいからでしたね。

 

手が小さいと、この『3本の指をフレットに近づける』という行為がとても難しくなってしまうんです。

 

 

ギターの構造上、フレットは上がる(音が高くなる)につれその幅が狭くなっていきます。

ご覧のようにフレットが上がるにつれその間隔は狭くなっていきます。ということは...

 

Fコードは『最もフレットの間隔が広い場所』で押さえるコード

 

ということが言え、確かにこの場所では手の小さい人が中指・薬指・小指の各指をフレット近くまで届かせるのはきついでしょう。

 

と、ここで思い付きます。それなら、もっとフレットの間隔が狭い場所、例えば8フレットや10フレットの辺りで押さえる練習をすればどうだろうか?

 

これは一理あります。ただ、その方法にも問題があります。

 

それが、弦高です。

 

フレットは上がるにつれ間隔が狭くなりますが、同時に弦高はどんどん高くなってしまうんです

 

step3でもご説明したように、弦高が高いと余分な力が必要になってしまいます。手の大きさで悩んでいる方は女性や子供も多いでしょうから、余分な力が必要なのも困りますね。

 

さて、そこでカポの登場です

③カポを使ってFコードを押さえる

カポの正式名称は『カポタスト』です。

 

Amazonサイトより

 

特に弾き語りをするギターリストには必需品となります。カポの本来の役割は『簡単にキィを変える』ことで、上の動画の大山さんもキィを変えるためにカポを使っていると思います。

 

ただカポは、装着すると弦が押さえ付けられるため弦高を低くする効果があるんです。

 

上がカポが無い状態の弦高、下がカポを付けた状態の弦高で、どちらも5フレット付近の様子です。

 

カポによって弦高が低くなっているのが分かります。

 

さらに、この画像でカポを付けた5フレット付近ではフレットの間隔もだいぶ狭くなっています。(2つ上の画像参照)

 

つまりこの状態で練習すれば、フレットの間隔が狭いうえ弦高も低い状態なので、手が小さい人でも十分にFコードの練習が可能ということが言えます。

5フレットにカポを付けてFコードの形を押さえた画像です。実際に鳴る音は<B♭>のコードになりますが、形を押さえる練習なので音程は関係ありませんね。

 

ご覧のように、人差し指と中指の間をそれほど開かなくてもFコードの形が押さえられています。(3つ上の画像と比べてみてください)。

 

これなら、手の小さい人もある程度は楽にFコードの形が押さえられそうです

 

この状態でFコードを押さえる練習をし、出来たら次はカポを4フレットに付けて練習、次は3フレットに...と、徐々にカポを下げていき最終的にカポが無い状態にする練習は、かなり効率的だと思います。

  

 

ただ、全てが理想的に思えるカポを使った練習も、実は1つだけ問題があるんです。

 

それは『フレットが上がるとネックが太くなっていく問題』です。

④Fコードが押さえられるギターが最適なサイズ

ネックが太くなると手が小さい人にはFコードが押さえ辛くなります

 

ギターはその構造上、フレットが上がるとネックが太くなります

 

私の所有するギターでは、ネックが1番細い1フレット付近の幅が43mmであるのに対し、5フレットでは48mmに広がります。たった5mmと思うかもしれませんが、特に手の小さい人にとってこの5mmは無視できない値です。

 

そう考えると、カポを使って高いフレットで練習する方法も辛く感じる人がいるかもしれません。

 

 

これまで見てきた、『ネックが太くなるとFコードが押さえ難くなる問題』そして『フレットの間隔が広いとFコードが押さえ難くなる問題』。

 

『ネックの太さ問題』『フレットの広さ問題』

 

手が小さい人は、Fコード1つとっても問題がたくさん出てきてしまいますね。

 

 

ただ、これらの問題を一気に解決する方法が1つだけあるんです

 

それが... 

 

ギターのサイズを小さくすること

 

つまり

 

手の大きさに適したサイズのギターを選ぶ

 

ということです。この項の最初にご覧いただいた大山さんの動画。この動画の中で彼女が弾いているギターは多分このギターです。

Amazonサイトより

 

このギターの説明を少し抜粋します。

 

抱え易く、小ぶりで反応の良いモデル、Epiphone EL-00 PRO。 その弾きやすさは然る事ながら、フィンガースタイルにもある程度順応できるレスポンスの良さとマホガニー特有のカラッとした音色がしっかりと出ている1本です。(抜粋ここまで)』

 

彼女が短期間でギターを習得できた理由の1つに、ちゃんと自分の体格に合ったサイズのギターを選んだことが挙げられるでしょう

 

下の画像をご覧ください。

大きいサイズのギターと小さいサイズのギターのネックの太さを比べてみました。右が私が所有するギターの中で一番大きなもの、左は私の娘が使っている小さいサイズのギターです。

 

ネックの幅が分かりやすいように赤いラインを着けています。ご覧のようにサイズの小さいギターの方がだいぶネックが細いんです。つまり...

 

手が小さくてもFコードが押さえやすいということが言えます。

 

もう1枚の画像も見て下さい。

この画像は、先ほどのネックの幅を比べた状態を真横から写しフレットの間隔を比べたものです。同じく右が大きいサイズのギターで左が小さいサイズのギターです。

 

いかがでしょうか。Fコードを押さえるのに必要な3フレットまででこれだけフレットの間隔が違ってきます。ご覧のようにサイズの小さいギターの方がだいぶフレットの間隔が狭いんです。つまり...

 

手が小さくてもFコードが押さえやすいということが言えます。

 

 

サイズの小さいギターを選ぶだけで、ネックの太さ問題フレットの広さ問題が一気に解決するんです

 

 

ギターは様々なサイズのものが販売されています。ギターを購入する前に、step2でご紹介したFコードの空中での形を練習してください。そして、実際に楽器店でいろいろなギターを抱えてそのFコードの形をギター上で再現してみましょう。

 

もちろん、音は出さなくて良いんです。Fコードの形を弦に置いた時、ギターを抱えてみた時、自分のサイズに合ったギターはフィットする服を着た時のように『ピッタリ!』と、必ずビビッときます。

 

それがあなたにピッタリと合ったギターです。これから何年もギターライフを共に過ごす相棒となり得るのです。

始めにピッタリと合ったギターを選ぶことが出来れば、手が小さくてもそれほどFコードに苦労することは無いでしょう

  

皆様が一生の相棒を見付けられる、そのお手伝いが少しでも出来たら幸いです。

⑤手の大きさで最適なギターを選ぶ

手の大きさを表すとき『手長』という言葉を使うようです。

 

手長の測定は『手首の最初のシワから一番長い指の先端まで』を測るそうです。

で、この手長、日本人の18~64歳の平均値は以下のようになるそうです。

 

男性 183.4mm

女性 169.3mm

 

『AIST日本人の手の寸法データ』より

 

この値を手の大きさの基準として考えていきます。

 

次に、ギターの基準となる値です。これは『スケール』という値を使います。スケールとは『弦長』ともいい、弦の長さを表す値です。

この弦長はギターのサイズの1つの基準となり、この値によりフレットの間隔が決まり、ボディの大きさもだいたい決まっていきます。各メーカーから様々な弦長のアコースティックギターが販売されていますが、その様々なメーカーの基準となっているメーカーがあります。

 

アメリカの『マーチン社』です。

 

今回はそのマーチン社が販売するギターの中から、少し小振りで様々な演奏に対応する万能ギター『OM(オーケストラ・モデル)』というモデルを基準にしてみましょう。(私の大好きなギターです)

 

 Amazonサイトより

 

この『OM』の弦長は以下の値です。

 

OM弦長 645mm

 

日本人男性にこの少し小振りな『OM』というギターがフィットすると仮定し、手長と弦長を比較してみます。

 

 

645÷183.4=3.516902...

 

 

となり、手長の約3.517倍の長さの弦長のギターがフィットすると仮定できます。

 

次にこの値を、日本人女性の手長の平均値に当てはめてみます。

 

 

169.3×3.517=595.4281...

 

 

となり、日本人女性は弦長が595.4mm程度のギターがフィットすると予想できます。

 

 

私のギター講師経験の中で『これは女性にフィットしている!』と感じたギターがあります。テイラー社の『GSmini』というギターで、実際に女性の生徒さんが所有しそのフィット感と音の良さに感動しました。

 

 Amazonサイトより

 

で実は、この『GSmini』の弦長が596mmです。この値は、先ほどの計算により日本人女性にフィットすると仮定した弦長とほぼ同じ値になりますね。

 

『自分の手長に3.517を掛けた値がフィットするギターの弦長』と考えてそう間違ってはいないようです。

⑥手の大きさ別おすすめのギター

算数の時間のようで何だが小難しくなってきたので、この後はズラズラっと私がおすすめする小さいサイズのギター(ミニギター)を手の大きさ(手長の値)別にご紹介していきます。

※価格は全てAmazonサイト掲載のもので変動することがあります。また、画像をクリックするとAmazonのサイトに移動し様々な情報や評価を見ることが出来ます。

 

 

☆手長150~154mmの人におすすめのギター

 

アリア『ADF-01 1/2 N』

弦長530mm ¥ 11,700

 

 

ヤマハ ミニギター『 JR2S NT』 

弦長540mm ¥ 18,835

 

 

 

☆手長155~159mmの人におすすめのギター

モーリス ミニギター『LA-231 NAT』

弦長559mm   ¥ 19,872

 

 

   

☆手長160~164mmの人におすすめのギター

 

テイラー『Baby T Mahogany』

弦長約578mm ¥ 53,800

 

 

 

☆手長165~169mmの人におすすめのギター

 

ヤマハ トラベラーエレクトリックアコースティックギター『APXT2NT』

弦長580mm  ¥ 24,592

                                                                

 

Martin Little Martin Series『LXM』

弦長584mm ¥ 44,690

 

 

HEADWAY ミニギター『HM-115S』

弦長592mm  ¥ 33,696

 

 

テイラー『GS-Mini Maho』
弦長596mm ¥ 67,870 

 

 

 

☆手長170~174mmの人におすすめのギター

 

S.Yairi ヤイリ Compact Acoustic Series『YM-03/MH』

弦長610mm ¥ 17,280

 

 

 

☆ミニギターではなく小振りの本格的なギター

 

EPIPHONE 『EL-00 Pro(VS)』

弦長628mm ¥ 29,700

 

 

Headway New HG-35 AN

弦長628mm ¥ 21,800

 

 

今後もおすすめできるギターが見付かりしだい随時アップしていく予定です。また、エレキギターに関しては、アコースティックギターよりも圧倒的に弾きやすいため選び方はもっと自由で大丈夫です。例えば、信頼できるメーカーのものならデザインで決めてしまうのもありです。

※ここに掲載したギターはあくまでも仮説を元にフィットするサイズを算出してご紹介しています。ギターのフィット感には弦長や手長以外にも様々な要素が関係しています。ギターのご購入を検討される場合、楽器店などで実際に抱えてみて弦に指を落としてみてから購入を決定されることを強くお勧めいたします。

⑦step4のまとめ

『手が小さい』という方は、きっとこれまでギターの練習でたくさん苦労されてきたことでしょう。あるいは、ギターを弾きたいけど諦めてしまったかもしれません。

 

でも、手が小さくても工夫次第でFコードを押さえることも可能で、実現されている方もたくさんいらっしゃいます。

 

ポイントはカポギターのサイズ

 

カポを使った練習は、すでにギターを持っている方や手は大きいけど開かないという方にもおすすめの練習方法です。

 

カポを使った練習でも難しい、あるいは、これからギターを始めたいという方は、ご自身の手のサイズ『手長』を測ってからギターの購入を検討しましょう。

 

ギターは自分の体に合ったものを選ぶのが何よりも大切!

 

皆様が、一生の相棒と巡り会って楽しいギターライフを送られることを願っています。


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